« '06 JRA GI RACE XVI /第三十一回 エリザベス女王杯 | トップページ | 深追いは禁物、ねらうは三連勝 »

これも競馬

 距離適性はマイルから牝馬同士ならクラシックディスタンスまでこなせ、気性が勝ったところがあってもレースに行ってかかるわけでもない。勝った気性はゴール前での勝負根性の土台にのみなり、鞍上が追えば切れる上に伸びる…この無敗のニ冠牝馬に、若さ以外の弱点などないように思っていた…

 スタート直後はゆっくりしたポジション争いだったが、徐々に前に進出したシェルズレイが予告どおり大逃げをうつ展開。二番手ライラプス、三番手にアサヒライジング、キストゥヘブン、アドマイヤキッスなど三歳の有力どころが前目のポジションを取った。その後ろにディアデラノビア、更に後ろの外目に一番人気カワカミプリンセス、その後ろに二番人気スイープトウショウがいて、ここがほぼ最後尾。先頭から計ればその隊列の長さは 20 馬身以上あった
 3 コーナーの坂の頂上から最終コーナーまでで、このこの隊列が確実に詰って行き、二番手を追走していたライラプスが馬群に飲み込まれると、先頭を行くシェルズレイは馬群の先頭からは既に射程圏内だった。
 馬場の良いところを狙って追い出した先頭の走っていたシェルズレイに、最初に襲いかかったのは後続集団の先頭につけていた三歳勢。しかし、ここから順に距離の壁が襲いかかる。シェルズレイにすでに余力はなく、桜花賞馬キストゥヘブンも行き脚がつかない。アサヒライジングが先頭に躍り出る。並んで先頭を伺ったアドマイヤキッスはアサヒライジングについて行けない。
 アサヒライジングが抜けた。しかし、まだゴールまでは 1F 以上ある。
 アサヒライジングのすぐ後ろからはフサイチパンドラ、馬場の悪い内をついてディアデラノビアが伸びてくる。アサヒライジングも粘る。
 土壇場。真打ちは抜けてきた。カワカミプリンセスは先頭に出たフサイチパンドラに一気に並んできた。そして大外からは、スイープトウショウの鬼脚。
 ゴール前の接戦、抜けたのは三歳無敗女王カワカミプリンセス。圧巻の一馬身半差。しかし、勝ったのは彼女ではなかった。

 何度もパトロールビデオを見ましたが、あれは降着を取られても仕方がないでしょう。上からの映像で見ていてなぜまっすぐ外へ追わなかったのかとも思いますが、馬場の状態、先行していた馬の動き、外から来る馬の脚、そして手綱を伝わってくる自分の馬の感触、あの馬群の中、本田騎手の判断は内へ行くことを決めた。そして鞍上の判断に即座に応えるだけの能力がカワカミプリンセスにあった。能力の高さが徒になったと言うことでもないでしょうが、数学と違ってプラスばかりを足してもマイナスとなり得ることがあるというのが競馬の恐ろしいところでしょう。
 強かったのはカワカミプリンセスでしょう。しかし、フサイチパンドラの関口オーナーの言葉を借りるなら、カワカミプリンセス陣営にとっては「勝負に勝って、競馬に負けた。これも競馬」と言うことなのでしょう。
 来年はすっきりその強さを見せて欲しいものです。

|

« '06 JRA GI RACE XVI /第三十一回 エリザベス女王杯 | トップページ | 深追いは禁物、ねらうは三連勝 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/5967/12676462

この記事へのトラックバック一覧です: これも競馬:

« '06 JRA GI RACE XVI /第三十一回 エリザベス女王杯 | トップページ | 深追いは禁物、ねらうは三連勝 »