もう一頭のサムソン
史上四頭目の天皇賞春秋連覇か?やっとつかんだ王座の防衛か?それとも史上二頭目の秋の天皇賞連覇か?…GI ホース 8 頭が揃った豪華メンバーで競われる天皇賞(秋)のスタートは、十分に満ちた緊張感の中で切られた。
スタートと同時に、最内枠に入った春の天皇賞馬メイショウサムソンをはじめとして、デルタブルース、コスモバルク、エイシデピュティの四頭がハナを争う。すぐにメイショウサムソンは控えて、先導する役目はコスモバルクが担った。
控えたメイショウサムソンのあとに、連覇を狙うダイワメジャーがぴったりマークする形で、その二、三頭後ろに夏のグランプリ覇者アドマイヤムーンが追走する。無冠の実力馬ポップロックはそのさらに後ろ。さほどの混乱もなく、隊列も長くなりすぎず詰まりすぎず、淡々と進んでいく。1000m の通過タイムは 1 分を少し切る平均ペースより心持ち早い程度。「ここに集った強者に勝負所のわからないものなどいない」というような感じだった…最終コーナーを迎えるまでは…
大欅の向こうを過ぎて、いよいよ最終コーナー。
後ろから上がってきたアドマイヤムーンにとあわせて、ダイワメジャーも外から先頭集団に並びかける。そして、ここで悲劇が起こる。直線を向いて、先頭だったコスモバルクが、馬場を選んで荒れた内を避けたときに外によれた。それに驚いてエイシンデピュティがさらに大きく外によれた。ここからは、直線を向いてほぼ横一線だった先頭集団で玉突き衝突状態になる。そして一番外を上がろうとしてダイワメジャーの鞍上 安藤 騎手が悲鳴を上げるほどはじかれ、さらに外にいたアドマイヤムーンはぶつけられた上に完全にスパートのタイミングを逸した。
この混乱の中、内々を追走していたメイショウサムソンは、コスモバルクが外によれたあいた進路に、まるでマジックのように入り込んだ…いや舞い降りたというような柔らかさを見せる。そしてぐんぐん伸びる。府中の直線の坂など関係ない、重力すら無視しているかのように滑るように駆け上がる。先頭集団の玉突き衝突を奇跡的にすり抜けて伸びてきたカンパニー、アグネスアークがいくら脚を伸ばしても全く追いつけない。
まるでマジックを見ているようだった。
そしてあっという間にゴール板の前を駆け抜けた。これまで勝った 3 つの GI での二着につけた着差、全部あわせたくらいの着差をつけて、夢のグランプリと言われた今年の宝塚記念にも引けをとらない相手に完勝劇。
主戦 石橋 守 騎手に「サムソンのすべてを教えてもらった」天才魔術師 武 豊 騎手が「もう一頭のメイショウサムソン」を生み出した瞬間だった。
外れましたよ。馬券は。馬場が良くなりすぎていると感じて、押さえとしていたシャドウゲイトをカンパニーに置き換えたところまでは良かったんですが、最後の最後、アグネスアークという馬を完全に甘く見てました orz
しかし、すごいレースを見てしまったという感じです。
メイショウサムソンとは石橋 守 騎手を鞍上に真っ向勝負、力ずくでねじ伏せることがこの馬の勝ちパターンだと思っていました。それとは全く違う、それでもやはり強いもう一頭のメイショウサムソンを見た気がします。しかも、休み明け初戦であのメンバー相手にあの勝ち方…ジャパンカップ、有馬記念でこの馬を交わせる馬はいるんでしょうか?と思っていても、年内、鞍上は武 豊 騎手…ポリシーとして本命には押せない。。。(_ _;>
さて困ったもんです。。。
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