勝負の後味
「世界に挑む」
ジャパンカップに際してそう語られたのももうずいぶん昔のように思われる。ここにはドバイで、そしてフランスで世界の度肝抜いた日本が誇るチャンピオンホースたちが集結する。
これはすでに世界に挑む戦いではない。日本で世界一を決める戦い。ブエナビスタとナカヤマフェスタの対決はそういっても恥ずかしくない一戦だった。
馬群を引っ張っていく馬がおらず、意を決して先頭に立ったのはシンゲンが作り出した遅いペースの中でほぼ一団。ナカヤマフェスタはその場群の中でも前に、ブエナビスタは後ろにつけた。またもや立ち後れたペルーサが最後方。
馬群は一団となったまま、3コーナーから4コーナーにかけてさらに隊列を縮めていき、その外を回ってブエナビスタが前へ進出していく。
シンゲンがまだ先頭。その直後の位置にヴィクトワールピサ、エイシンフラッシュ、そしてローズキングダムと三歳の末脚自慢が顔をそろえる。
そして直線。
外を回って加速し続けるブエナビスタを追って、ジャガーメイル、オウケンブルースリが加速するが、ブエナビスタには届かない。
さらにローズキングダムに並びかけ、そしてさらに前をとらえにかかる。一旦、引き離されたろーず金宇田無も食い下がる。
内ではもがくエイシンフラッシュを後目に、ヴィクトワールピサが先頭にでる。これにブエナビスタが襲いかかる。
その刹那、この二頭を前に進路を失ったローズキングダムが立ち上がった。ポジションを下げながら、そしてブエナビスタの外に回りながら、それでも食い下がる。
抜けたブエナビスタ。ヴィクトワールピサの振り払い、ローズキングダムの追撃をしのぎきった。
完勝…のはずだった。
「審議」の青ランプが消えない。スタンドのざわめきも消えるどころか徐々に大きくなっていく。長い長い審議が続く…その結果…
掲示板に一着と表示されたのは「6」
ブエナビスタ降着。一族の悲願、古馬 GI 制覇を達成したはずのローズキングダム陣営には戸惑いの色さえあった。
見応えのあったレースですが、正直、後味が悪いですね。
素人目には大きく斜交したようには見えませんでしたし、内に切れ込んだところ外ににはらんだヴィクトワールピサの間に運悪くローズキングダムがつっこんだ…と見えなくはないです。
確かにあのスピードで前を交わしたブエナビスタが内に切れ込む必要があったかというと疑問ですし、あれがなければもっときわどい勝負になっていたとは思いますが、ローズキングダムが交わしきれたかも疑問です。
という後味の悪さです。
はっきり有馬で決着をつけて欲しいのは山々ですが、ローズキングダムは有馬で今年秋、重賞ばかり四戦目。来年を見てみたい馬ですし、ブエナビスタが秋三戦目で、両馬とも得意とするコースでもないですので、来年、宝塚記念あたりで白黒つけて欲しいと思います。
しかし…
帰国初戦で善戦するなんて言うかわいげのない三歳馬は嫌いです
あかん、最近、馬の距離適正を見切れてない。先般のエーシンフォワードといい、今回のヴィクトワールピサといい。。。レース展開の予想も交えてもうちょっと慎重に予想を組み立てる必要があるでしょう。
残り今年あと四戦。反省は即結果に結びつけねば…
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